虫歯を放置するとどうなる?治療方法も紹介


虫歯を放置していませんか?「痛みがないから大丈夫」「忙しくて歯医者に行く時間がない」と思っていると、取り返しのつかない事態を招くことも。実は虫歯は放置すればするほど症状が悪化し、最終的には歯を失うだけでなく、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。しかも、進行した虫歯ほど治療は複雑になり、時間も費用も余計にかかるでしょう。
本記事では、虫歯を放置した場合に起こりうる具体的なリスクと、進行してしまった虫歯の治療方法について詳しく解説します。少しでも気になる症状があれば、ぜひ早めに歯科医院を受診して、最小限の治療で済ませましょう。
虫歯を放置するとどうなる?
虫歯を放置してしまうと、痛みだけでなく、全身の健康にまで悪影響が及ぶ場合があります。とくに初期段階であれば回復が早いのに対し、放置が長引くほど症状は深刻化し、重大なリスクへとつながります。ここでは、以下の8つを解説します。
- 激しい痛みが出る
- 歯の神経が死んで痛みが弱まる
- 歯の根や顔が腫れる
- 副鼻腔炎や骨髄炎を引き起こす
- 脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす
- 歯原性菌血症を発症する
- ものを噛めなくなる
- 口臭がひどくなる
それぞれ見ていきましょう。
関連記事:虫歯の進行速度はどれぐらい?段階別の治療方法も解説
激しい痛みが出る
初期の虫歯はしみる程度の軽い症状から始まることが多いですが、放置するとやがて神経に近い部分まで進行し、激しい痛みを伴うようになります。痛みが強まると食事や睡眠にも支障をきたし、集中力の低下や精神的ストレスの原因にもなりかねません。市販の鎮痛剤で一時的に症状を和らげても根本的な虫歯の進行は止まらないため、早めに歯科医院で適切な治療を受けることが大切です。
また、痛みが出た箇所をかばうことで噛み合わせが乱れ、ほかの歯や顎関節に余計な負担がかかるケースも見受けられます。痛みの原因を特定し、適切な処置を行うことで、長期的な歯や口腔の健康を守れます。
関連記事:虫歯じゃないのに歯が痛くなる“非歯原性歯痛”とは?
歯の神経が死んで痛みが弱まる
虫歯の進行がさらに深部に及ぶと、歯の神経が侵されてしまい、やがて神経が死んで痛みを感じにくくなることがあります。いったん痛みが治まると、問題が解決したように錯覚しがちですが、実際には細菌が歯の根の部分や周囲の組織をさらに侵食している可能性が高いです。
神経が死んだ歯は血流が途絶えて抵抗力が落ちており、感染が進むと根元に膿が溜まり、歯を支える骨を溶かすなど深刻な状態になる場合も。痛みが一時的に消えたとしても、症状が進行していることを見過ごさないよう、早めの受診と治療が必要です。
歯の根や顔が貼れる
虫歯が神経を超えて歯の根元にまで達すると、細菌が根の先で炎症を起こし、膿が溜まって歯茎や頬など顔全体が腫れるケースがあります。これは歯根嚢胞(しこんのうほう)や歯根膜炎と呼ばれる状態で、放置すれば顎の骨にまで炎症が広がるおそれがあるため要注意です。腫れとともに激しい痛みを感じることが多く、痛みがさらに悪化すると日常生活に支障をきたすだけでなく、高熱や倦怠感など全身症状を引き起こす場合も。
また、腫れている部分に刺激が加わることで、さらなる痛みや不快感が増すこともあります。腫れが見られたら、すぐに歯科医院で適切な処置を受けることが肝心です。
副鼻腔炎や骨髄炎を引き起こす
虫歯が歯根部や上顎洞(じょうがくどう)へ広がると、副鼻腔炎(蓄膿症)を発症することがあります。上顎の歯の根が上顎洞に近接しているため、細菌が副鼻腔へ侵入しやすくなるのです。また、細菌が血流に乗って骨の内部へ達すると、骨髄炎のリスクも高まります。
骨髄炎は顎の骨が化膿し、強い痛みや発熱、骨の変形など重篤な症状を引き起こすおそれがある怖い病気です。こうした全身的な合併症に発展する前に、歯科医院での早期治療が肝要となります。鼻づまりや顔面痛など、歯の痛み以外の症状が続くときも虫歯から波及している可能性を考慮し、速やかに受診しましょう。
脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす
口腔内で増殖した細菌が血管を通じて全身に回ると、動脈硬化の進行を促進し、脳梗塞や心筋梗塞など重大な疾患の引き金になる可能性があります。とくに歯周病菌や虫歯菌などは血管の内壁に炎症を引き起こし、血栓(血のか溜まり)ができやすい状態をつくり出すと考えられています。
放置している間に細菌がさらに繁殖すると、そのリスクは一層高まりかねません。こうした全身疾患を予防するためには、こまめな歯磨きと定期的な歯科検診が不可欠です。虫歯のケアを怠った結果、思いもよらない重篤な病気を招いてしまわないよう、早期対処を心がけましょう。
歯原性菌血症を発症する
歯原性菌血症とは、口腔内の細菌が傷ついた歯茎などから血管内に侵入し、全身を巡ることでさまざまな合併症を引き起こす状態を指します。虫歯が進行している場合、歯周ポケットも深くなりがちで、そこから大量の細菌が血流へと流れ込むリスクが高まります。
菌血症に陥ると発熱や倦怠感などの症状が現れ、免疫力が低下した方や高齢者の場合、心内膜炎や肺炎など、命に関わる病気へと発展するおそれも否定できません。虫歯を放置していると、こうした重篤化の入口となり得るため、早めの治療と適切な口腔ケアが重要です。
ものを噛めなくなる
虫歯の痛みや歯の欠損が進むと噛む力が大幅に低下し、硬い食品だけでなく日常の食事にも不便を感じるようになります。とくに複数の歯がダメージを受けると、噛み合わせが崩れて顎関節に負担がかかり、顎関節症のリスクも高まります。
さらに、噛む力の低下は消化不良や栄養摂取の偏りにつながり、全身の体調に悪影響を及ぼす場合もあるため注意が必要です。食欲があっても噛むことが困難だと食事の満足感が得られないだけでなく、精神的ストレスにもつながります。こうしたトラブルを避けるためにも、虫歯は早期に対処し、健康な咬合を維持しましょう。
口臭がひどくなる
虫歯が進行すると、歯の穴や隙間に食べかすが溜まりやすくなり、細菌が繁殖しやすい環境が整ってしまいます。その結果、強い口臭を放つ原因となるガスが大量に発生します。本人は気付きにくいことも多く、周囲に指摘されるまで問題を自覚できないケースも珍しくありません。口臭は対人関係にも影響を及ぼし、自信を失う要因にもなり得ます。
さらに、細菌の増殖は虫歯の進行や歯周病の悪化を助長し、口臭だけでなく口腔環境全体を脅かす存在となるでしょう。早めに治療を受け、適切なケアを続けることで、健康な息と明るい笑顔を取り戻せます。
放置した虫歯が骨まで進行したときの治療方法

虫歯が深部へと進行し、骨にまで影響を及ぼすと、治療は複雑化し時間もかかる場合があります。ここでは以下2つについて、それぞれの治療内容を確認しましょう。
- 根管治療
- 抜歯
症状に合わせた適切な方法を知ることで、リスクを抑えて歯を守る選択がしやすくなります。
根管治療
虫歯が神経に到達した場合や、歯の根の先にまで細菌感染が広がっている場合は「根管治療」が必要です。これは歯の内部(根管)に入り込んだ細菌や感染組織を取り除き、根管内を消毒した後に薬剤で密閉する処置です。骨にまで進行しているケースでは、歯の根の周囲に膿の袋(歯根嚢胞)ができ、顎骨が浸食されることがあり、治療期間が通常より長くなる場合も。
ただし、適切な処置を施せば歯を残せる可能性が高まり、噛み合わせや歯列を保ちやすくなるのがメリットです。根管治療後も、再感染を防ぐために定期的なメンテナンスや検診を欠かさず受けることが肝心です。
抜歯
歯が大きく破壊され、骨の内部で感染や炎症が深刻な状態まで進んでいる場合は抜歯が検討されることも。抜歯の判断は口腔内の状況を総合的に診断して行い、残せる見込みがほぼない場合や、周囲の歯に対するダメージが大きい場合に下されるケースが一般的です。
抜歯は歯を失うことになるため心理的な負担も大きいですが、感染を根本から取り除いて口腔環境を改善するための重要な処置ともいえます。その後は失った歯の機能を補う必要があり、入れ歯やブリッジ、インプラントなどの方法を選択することになります。適切な補填を行い、噛み合わせのバランスを維持することで、ほかの歯や顎関節への負担を軽減できるのです。
入れ歯
抜歯後の補填方法としてもっとも一般的かつ歴史の長い治療法が「入れ歯」です。取り外しが可能な装置で、部分入れ歯と総入れ歯の2種類に大きく分かれます。部分入れ歯は残っている歯に金属のバネ(クラスプ)をかけて安定させる仕組みで、失った本数によって作成する形状が異なります。
総入れ歯は歯がまったくない状態を想定してつくられ、歯茎に密着することで噛む力をサポート。入れ歯の装着には多少の慣れが必要ですが、素材やつくり方の進歩により、装着感や見た目が改善されているのも特徴です。適切なメンテナンスと定期調整を行えば、快適な噛み合わせを保てます。
ブリッジ
ブリッジは、失った歯の左右にある健康な歯を土台として、人工の歯を橋渡しのように装着する方法です。連結している歯を支えにすることで安定感が得られ、噛む力を比較的自然に伝えられるのが利点です。しかし、装着の際には支台となる隣の歯を削って形を整える必要があり、その歯への負担が増す場合があります。
また、ブリッジの下に汚れが溜まりやすいこともあるため、ケアを怠ると虫歯や歯周病が再発するリスクが高まります。適切なブラッシング指導や定期検診を受けることで、ブリッジを長持ちさせることが大切です。複数本の歯を一度に補える点が、ブリッジの大きなメリットといえます。
インプラント
インプラントは、顎の骨に人工歯根(チタン製のスクリュー)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する方法です。自立型の構造なので隣の歯を削る必要がなく、噛む力を取り戻しやすいという利点があります。ただし、インプラント手術では骨の状態や健康状態に左右される部分が大きく、事前の検査や治療期間も長めになることが一般的です。
また、治療後は歯周病に似た「インプラント周囲炎」を防ぐため、こまめなメンテナンスと正しいセルフケアが欠かせません。長期的に安定した機能と見た目を保てる一方で、コスト面や手術への不安などを考慮しながら、歯科医師と十分に相談して最適な選択を行うことが求められます。
虫歯は放置して治る?

虫歯は放置しても自然に治ることはなく、悪化の一途をたどります。初めは軽いしみや痛みでも、放置するほど歯が崩れ落ち、副鼻腔炎や脳梗塞といった重い疾患に発展するリスクを高めるのです。さらに、進行した虫歯の治療は時間と費用が大幅にかかり、日常生活にも大きな支障をきたします。
こうした深刻な状態を避けるためには、毎日のブラッシングや食生活の見直しはもちろん、歯科医院での定期検診やクリーニングが欠かせません。早期にケアを行えば短期間で済む治療でも、放置すれば長引いてしまい、心身の負担も増大します。歯は一度失うと元に戻らないため、少しでも異変を感じたら迷わず受診し、将来的なリスクを軽減しましょう。
まとめ

虫歯を放置せず、早めに対処することで将来的なリスクを大きく減らせます。痛みや不安を感じる方は、糸島市の総合歯科医院「いとしま総合歯科インプラントクリニック」へご相談ください。
当院では、患者さま目線を大切にしながら最新の医療機器やインプラントセンター、個室診療室を備え、幅広い治療に対応しています。大切な歯を守るための第一歩として、ぜひお早めの受診がおすすめです。気になることがあれば、遠慮なくお問い合わせください。
この記事の監修者
院長 星元健佑
当院院長の星元健佑です。私が、診療において常に心がけているのは、「自分の家族だったらどの治療を選択するか」ということです。
治療法に関しては、でき得るすべての治療法のメリット・デメリットを丁寧に患者様にご説明した上で、ベストだと思う治療法をお伝えいたします。
しかし、最終的に決断されるのは患者様ご自身ですので、決して私の考えを押しつけるようなことはいたしません。
もちろん、自由診療だけをお勧めすることもありませんので、費用面でご不安に感じている方は安心して受診いただけたらと思います。
当院では、月に1回午後を休診にし、勉強会とスタッフのトレーニングを実施しており、スタッフ全員のスキルアップにも取り組んでいます。
また、口腔内スキャナーや歯科用CTなども活用し、専門的な診療を提供できる体制づくりにも注力。口腔内を総合的に診られるのが当クリニックの特徴です。
お口に関してお困り事があればお気軽にご相談ください。
〈略歴〉
私の歩みは、2016年に長崎大学歯学部を卒業したことから始まりました。2017年には鹿児島大学での臨床研修を修了し、特に口腔外科の技術を学びました。2018年はオパールデンタルクリニックで、インプラント治療やセラミック治療の技術を身につける機会に恵まれました。
その後、2022年にはカナダへ単身で渡り、国際的な視野でさまざまな知見を吸収する貴重な経験を積みました。
帰国後は、九州の複数の歯科診療所で実践を重ね、患者さま一人ひとりに寄り添った治療を学びました。
2024年からは、当院の院長として、皆さまの健康と笑顔のお手伝いができるよう努めています。

