歯医者の初診料はどれぐらい?内訳も解説

歯医者を初めて受診するときに、漏れなく請求されるのが「初診料」です。
この記事では、歯医者の初診料の詳細や再診料との違い、費用の目安を解説します。また、保険診療と自由診療の違いや、治療費の具体例も提示します。
治療費を詳しく知りたい方や、初診料を抑えたい方は、ぜひ参考にしてください。
歯医者の初診料とは

歯医者の初診料は、その歯医者を初めて受診した際にかかる費用です。初診料は、初めての受診時に患者の全体的な口腔状態をレントゲンなどにより診断し、治療計画を立てるために使われます。
また、同じ歯医者であっても、別の治療を行うために再度訪れた場合には、初診料が再度発生することがあります。
再診料との違い
再診料は、初診後に同じ歯医者で治療を続けるときにかかる費用です。
たとえば、初診で虫歯の治療を始め、そのあとの通院で引き続きその虫歯を治療する場合に、再診料が適用されます。再診料は、診察や経過観察などの継続的な治療に対して発生し、初診料よりも低額です。
そのため、初診料と再診料はそれぞれ異なるタイミングと目的で発生します。初診料は新規の治療や長期間(3ヶ月以上)の間隔を空けた際に発生し、再診料は継続的な治療のための費用として支払う必要があります。
初診料の目安

歯医者の初診料は、治療内容や診療形式によって異なります。保険診療と自由診療では、料金体系が異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
ここでは、保険診療と自由診療における初診料の目安や具体的な費用を、治療内容ごとに解説します。
- 保険診療
- 自由診療
それぞれ見て行きましょう。
保険診療
保険診療における初診料の目安は、一般的に3,000円から5,000円程度です。初診料には、口腔内の検査やレントゲン撮影などが含まれます。
初診時の内訳を以下にまとめました。
項目 | 点数 | 負担額(3割負担) |
初診料 | 267点 | 801円 |
レントゲン撮影 | 402点 | 1,206円 |
歯周基本検査 | 200点 | 600円 |
合計 | 869点 | 2607円 |
上記は、初診時に最低限かかる費用です。ほかの治療も同時に行う場合は、別途治療に応じた費用が発生します。
また、健康保険に加入していない場合は、3割負担を受けられないため注意が必要です。
出典:厚生労働省「令和6年度歯科診療報酬改定の主なポイント」
関連記事:歯医者の保険適用範囲とは?
歯石取り(スケーリング)
歯石取りは、歯の表面や歯肉の下に付着した硬い歯石を取り除く処置です。食べ物のカスや唾液の成分が長期間歯に付着して硬くなったものが歯石で、通常の歯磨きでは除去できません。
スケーリングを行うことで、口腔内の衛生状態を改善し、歯周病の進行を防げるため定期的な受診がおすすめです。
初診料に加え、1,000円から2,000円程度の費用がかかりますが、歯と歯茎を健康に保つためには不可欠です。
虫歯治療や神経の治療
虫歯治療や神経の治療は、歯の内部に発生した虫歯や感染を取り除き、歯の健康を回復させるための処置です。虫歯は、歯の表面のエナメル質が細菌によって侵されることから始まり、進行すると内部の象牙質や歯髄(神経)にまで達します。
虫歯の進行度や部位によって治療方針が異なり、初診料に加え、2,000円から5,000円程度の費用がかかります。詰め物やクラウン(被せ物)の素材によって費用が高額になるため、事前に歯科医に相談しましょう。
詰め物の再装着
詰め物の再装着は、以前に治療した詰め物が欠けたり、外れたりした場合に行われる処置です。詰め物が外れた場合、放置すると外れた部分に食べ物が詰まりやすくなり、虫歯が進行するリスクがあるため、早めの対処が大切です。
歯科医はまず、外れた詰め物とその周辺を清掃し、再度接着剤を使用して詰め物を固定します。状態や使用する材料によって費用が異なりますが、初診料に加えて1,000円から2,000円程度が一般的です。
自由診療
自由診療では、保険が適用されないため、初診料は全額自己負担となります。
以下に、自由診療の初診料の目安をまとめました。
項目 | 点数 | 負担額(全額負担) |
初診料 | 267点 | 2,670円 |
レントゲン撮影 | 402点 | 4,020円 |
歯周基本検査 | 200点 | 2,000円 |
合計 | 869点 | 8,690円 |
初診時は一般的には5,000円程度で収まりますが、自由診療の場合は高額になる可能性があるため、予算を考慮しましょう。
歯列矯正
歯列矯正は、歯並びや噛み合わせを改善するための治療です。これにより、口腔内の清掃がしやすくなり、虫歯や歯周病の予防にもつながります。
矯正治療には、歯の表面に装置をつけるブラケット矯正や、透明なマウスピースを使うインビザラインなどがあります。
治療費は初診料に加えて60万円から100万円程度かかり、装置の種類や治療期間、歯並びの複雑さによって費用に幅があるため注意が必要です。
インプラント
インプラント治療は、失った歯の代わりに人工歯根を顎骨に埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。見た目が自然で、噛む力も天然の歯に近いというメリットがあります。
治療費は初診料に加えて1本あたり30万円から50万円程度で、インプラントの材質や手術の難易度によって異なります。
治療前には、詳細な費用や治療計画を確認することが重要です。
初診料を抑えるコツ

いくつかのポイントに注意することで、初診料を抑えることが可能です。以下に2つの考慮すべき点をあげました。
- まずはかかりつけの歯科医に相談する
- 治療を中断しない
それぞれ見て行きましょう。
まずはかかりつけの歯科医に相談する
新しい病院を受診すると、カルテの作成や初診料が再度かかるため、費用が増えることがあります。
たとえば、普段通っている歯医者で虫歯治療をしていた場合、同じ歯医者で治療を続けることで初診料の重複を防げることも。一方、別の歯医者に行くと再度初診料が発生し、カルテ作成やレントゲン撮影などの費用がかかる可能性があります。
とくに緊急性の低い場合や日常的なケアであれば、かかりつけの歯科医に相談するのが賢明です。必要に応じて、大病院への紹介状を書いてもらえることも期待できます。
関連記事:よい歯医者の選び方とは?失敗しないポイントを確認!
治療を中断しない
治療の間隔が3ヶ月以上空くと、再度初診料が発生することがあります。たとえば、虫歯治療を途中でやめてしまい、半年後に再び治療を再開すると、初診料が再度かかってしまうことも。
また、治療を途中でやめると虫歯や歯周病が悪化し、結果的に高度な治療を要し、高額な治療費がかかることになります。
治療スケジュールを守り、定期的に通院することで、無駄な出費を防げます。歯科医と相談しながら治療計画を立て、計画どおりに進めることが大切です。
歯医者の初診に関するよくある質問

歯医者の初診に関する疑問や不安を解消するために、よくある質問をまとめました。初めて歯医者を訪れる方も安心して受診できるように参考にしてください。
- 初診にかかる時間はどれぐらい?
- 初診には何を持って行けばいい?
- 大学病院の初診料はなぜ高いの?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Q:初診にかかる時間はどれぐらい?
初診時の診療には、通常30分から1時間程度の時間がかかります。まずは問診表の記入や、口腔内の状態を確認するための問診が行われ、そのあと、レントゲンを撮影したり口腔内を検査したりします。
症状によっては、応急処置や簡単な治療が行われることもあるため、予約時間よりも少し早めに到着し、余裕を持って診察に臨みましょう。
Q:初診には何を持って行けばいい?
初診時には、以下の持ち物を準備しておくとスムーズに診察を受けられます。
- 健康保険証:必須です。保険証がない場合、医療費を全額自己負担しなければなりません
- お薬手帳:現在服用中の薬がある場合は持参しましょう
- 健康状態を示す手帳:アレルギーの記録や糖尿病手帳などを示せると安心です
- 紹介状や検査結果:過去にほかのクリニックで治療を受けていた場合は提示しましょう
- 現金やクレジットカード:支払いに必要です
受診前に慌てないように、改めて持ち物を確認しましょう。
Q:大学病院の初診料はなぜ高いの?
大学病院の初診料が高い理由は、専門的な設備や高度な医療技術が整っているためです。大学病院では、一般の歯科医院では対応できない複雑な症例や、専門的な治療が必要な患者を受け入れる体制が整っています。
たとえば、顎の骨の再建手術や重度の歯周病治療、難しい親知らずの抜歯などが含まれます。そのため、初診料が高く設定されているのです。
また、紹介状がない場合には、さらに高額な特別初診料がかかることがあります。緊急性がない場合は、まずかかりつけの歯科医に相談し、必要に応じて紹介状をもらうことで、費用を抑えられます。
まとめ

初診料を抑えるためには、かかりつけの歯科医に相談することや、治療を中断しないことがポイントです。これにより、無駄な出費を防ぎ、スムーズに治療を進められます。
もし、歯医者の初診料や治療に関するご相談がある場合は、いとしま総合歯科インプラントクリニックにお問い合わせください。当院では、インプラントセンターを併設し、個室完備のプライベート環境で高度な歯科治療を提供しているため安心です。
患者様一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせた最適な治療を提案します。皆様のお越しを心よりお待ちしております。
この記事の監修者

院長 星元健佑
当院院長の星元健佑です。私が、診療において常に心がけているのは、「自分の家族だったらどの治療を選択するか」ということです。
治療法に関しては、でき得るすべての治療法のメリット・デメリットを丁寧に患者様にご説明した上で、ベストだと思う治療法をお伝えいたします。
しかし、最終的に決断されるのは患者様ご自身ですので、決して私の考えを押しつけるようなことはいたしません。
もちろん、自由診療だけをお勧めすることもありませんので、費用面でご不安に感じている方は安心して受診いただけたらと思います。
当院では、月に1回午後を休診にし、勉強会とスタッフのトレーニングを実施しており、スタッフ全員のスキルアップにも取り組んでいます。
また、口腔内スキャナーや歯科用CTなども活用し、専門的な診療を提供できる体制づくりにも注力。口腔内を総合的に診られるのが当クリニックの特徴です。
お口に関してお困り事があればお気軽にご相談ください。
〈略歴〉
私の歩みは、2016年に長崎大学歯学部を卒業したことから始まりました。2017年には鹿児島大学での臨床研修を修了し、特に口腔外科の技術を学びました。2018年はオパールデンタルクリニックで、インプラント治療やセラミック治療の技術を身につける機会に恵まれました。
その後、2022年にはカナダへ単身で渡り、国際的な視野でさまざまな知見を吸収する貴重な経験を積みました。
帰国後は、九州の複数の歯科診療所で実践を重ね、患者さま一人ひとりに寄り添った治療を学びました。
2024年からは、当院の院長として、皆さまの健康と笑顔のお手伝いができるよう努めています。