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虫歯の治療費用の目安は?安く抑えることはできる? 

虫歯治療の費用は、虫歯の進行度や治療方法によって異なります。軽度の虫歯であれば1回の治療で済みますが、神経に達するほど進行した場合は、費用も高額になりがちです。 

また、初診時には診察料やレントゲン撮影費用がかかるため、事前に予算を考えておく必要があります。 

本記事では、虫歯の症状別に治療費の目安、自費診療の場合の治療費を解説します。 

目次

【症状別】1回あたりの虫歯の治療費 

虫歯を治療する際にかかる初診料と、1回あたりの虫歯の治療費は下記のとおりです。 

費用の種類 治療費の目安 
初診料 約801円 
軽度の虫歯 約1,000〜3,000円 
中等度の虫歯 約4,000〜1万円 
神経にまで達した虫歯 約7,000〜2万円 
抜歯が必要な虫歯 治療費用:約1,500〜2,000円 被せ物の費用:約4,000円〜 

虫歯の症状ごとの治療費と、治療回数の目安を詳しく解説します。 

初診料 

2025年現在、一般の病院歯科・歯科診療所の初診料は267点と定められています。1点=10円のため、2,670円が基準です。保険適用で3割負担の場合の初診料は、約801円です。 

費用には、診察料、基本的な検査、レントゲン撮影費用などが含まれる場合もあります。虫歯の進行度を確認し、治療計画を立てるために必要なものです。 

初診時に治療を開始する場合は、治療費が別途加算されるため、総額が高くなる点に注意しましょう。 

治療回数は、軽度の虫歯であれば、1回の通院で完了します。しかし、進行した虫歯の場合は、2回以上の通院が必要になるのが一般的です。 

参考:厚生労働省|令和6年度歯科診療報酬改定の主なポイント 

軽度の虫歯 

軽度の虫歯(C1)は、エナメル質に小さな穴ができた状態で、痛みを感じないことが大半です。治療も比較的簡単で、虫歯部分を削り、コンポジットレジンを詰めて光で固める方法が一般的です。 

保険適用の場合、治療費の目安は約1,000〜3,000円となります。多くのケースでは、1回の治療で完了するため、費用を最小限に抑えられます。 

ただし、虫歯が複数ある場合は、その分費用も増えるため、早期の治療を行うことが大切です。 

関連記事:初期の虫歯「黒い点」が見つかったらどうする?原因から対処法まで解説 

中等度の虫歯 

中等度の虫歯(C2)は、虫歯がエナメル質を超えて象牙質まで進行した状態です。冷たいものや甘いものがしみることがあります。 

この段階では削る範囲が広がるため、詰め物の種類が変わり、治療費も高くなる傾向です。 

保険適用の銀歯を使用する場合、3割負担で約4,000〜1万円が相場です。治療には通常2回以上の通院が必要で、1回目に虫歯を削り、型取りを行い、2回目に詰め物を装着します。 

もし、セラミックやブリッジなどの自費治療を選ぶと、費用は3万円以上になる場合もあるため、事前に確認が必要です。 

神経にまで達した虫歯 

神経にまで達した虫歯(C3)は、強い痛みを伴うことが多くなり、根管治療(神経を取り除く治療)が必要です。根管治療は複数回の通院を要し、治療費も比較的高額になります。 

保険適用(3割負担)の場合、根管治療の費用は約7,000〜2万円が目安です。根管治療後には、被せ物(クラウン)を装着する必要があります。 

  • 銀歯:約4,000〜6,500円 
  • セラミック:1万円~ 

根管治療は通常3〜5回の通院が必要です。治療が長引くことで通院回数が増えるため、総額の治療費も高くなります。 

抜歯が必要な虫歯 

虫歯が重度に進行し、歯の根まで破壊されている場合は、抜歯が必要になる場合があります。歯の費用は、保険適用(3割負担)で約1,500〜2,000円が相場です。 

ただし、親知らずなどの難しいケースでは5,000円以上かかる場合も。抜歯後は、歯を補うための治療が必要です。それぞれの費用は、下記のとおりです。 

  • ブリッジ:1〜3万円 
  • 部分入れ歯:8,000〜1万5,000円 

抜歯自体は、1回の治療で完了するケースが大半です。しかし、そのあとの治療によって通院回数や費用が大きく変わります。 

自費診療での虫歯治療の費用 

自費診療による虫歯治療は、審美性や耐久性を重視した高品質な治療が受けられるのが特徴です。費用の目安は、下記のとおりです。 

治療の種類 費用の目安 
詰め物 5万~7万円 
被せ物 6万~13万円 
入れ歯 部分入れ歯:10万〜60万円 総入れ歯:15万〜50万円 
ブリッジ 1本あたり:5万~15万円 
インプラント 1本あたり:30万〜40万円 

詳しく解説します。 

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詰め物 

詰め物は、虫歯を削ったあとにできた穴を埋める治療です。見た目や耐久性を考慮し、自費診療の素材を選べます。 

費用は、5万~7万円程度です。代表的な詰め物は、下記のとおりです。 

  • ゴールドインレー 
  • ジルコニアインレー 
  • セラミックインレー 

これらの詰め物は、保険適用の銀歯やレジンと比べて、耐久性が高く、色調が自然です。そのため、見た目が気になる前歯に適しています。 

セラミックやジルコニアは、変色しにくく金属アレルギーの心配がなく、長期間快適に使用できます。 

被せ物 

被せ物は、虫歯の範囲が広く、詰め物では対応できない場合に使用される治療法です。自費診療では、6万~13万円程度で、下記の種類があります。 

  • ゴールドクラウン 
  • メタルボンドクラウン 
  • オールセラミッククラウン 
  • ジルコニアクラウン 

セラミック系の被せ物は、自然な透明感があり、見た目の美しさを重視する方に人気です。ただし、金属を使用した被せ物では、唾液などの影響で金属イオンが溶け出し、歯ぐきに沈着して黒ずむケースがあります。その点オールセラミックは金属を使用しないため、歯ぐきの変色がなく、長期間白さを保てます。 

一方、ゴールドクラウンは耐久性が高く、噛む力が強い奥歯にもおすすめです。素材選びは、審美性と機能性のバランスを考えて決めましょう。 

入れ歯 

自費診療の入れ歯は、保険適用のものよりもフィット感が良く、審美性や耐久性に優れています。部分入れ歯では10万〜60万円、総入れ歯では15万〜50万円程度が相場です。 

自費の入れ歯には、金属床や、金属を使わず見た目が自然なノンクラスプデンチャーなどがあります。 

金属床の入れ歯は、薄くて丈夫で違和感が少ないのが特徴です。ノンクラスプデンチャーは、留め具が目立たず、入れ歯をしていることが分かりにくいため、見た目を気にする方に適しています。 

また、マグネットを利用したアタッチメント入れ歯もあり、十分に固定できるため安定性が高い特徴があります。 

ブリッジ 

ブリッジは、歯を失った部分を補う治療で、両隣の歯を支えにして人工の歯を固定します。自費診療では、下記の種類があり、1本あたり5万~15万円程度が目安です。 

  • ジルコニアブリッジ 
  • オールセラミックブリッジ 

保険適用のブリッジは金属製のため、時間が経つと歯ぐきが黒ずんで見えることがあります。しかし、セラミックやジルコニアなら自然な白さを保てるのが魅力です。 

ジルコニアブリッジは硬く、奥歯にも適しているため、耐久性を重視する方に向いています。ただし、ブリッジは両隣の健康な歯を削る必要があるため、長期的に考えるとインプラントも選択肢の1つとなるでしょう。 

インプラント 

インプラントは、失った歯の代わりにチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。1本あたりの費用は30万〜40万円が相場で、もっとも高額な治療の1つです。 

しかし、天然歯に近い噛み心地と見た目を再現できるメリットがあります。インプラントは、入れ歯やブリッジと異なり、周囲の健康な歯に負担がかかりません。 

また、骨と結合するため、安定感があります。デメリットは、手術が必要で治療期間が長くなることや、定期的なメンテナンスが必須であることです。 

費用は高額ですが、長期的な視点で考えると、快適な噛み心地を得られるでしょう。 

虫歯の治療費用を抑える方法 

虫歯の治療費用を抑える方法は、下記のとおりです。 

  • 保険適用の治療を受ける 
  • 普段から虫歯を予防する 
  • 自費診療の場合は、複数の歯科医院で見積もりをとる 

具体的な方法を詳しく解説します。 

保険適用の治療を受ける 

虫歯の治療費を抑えるために、保険適用の治療を選択するのが基本的な方法です。日本の健康保険制度では、虫歯治療の大半の処置が保険適用となり、自己負担額は1〜3割程度に抑えられます。 

詰め物(コンポジットレジン)は約1,000〜3,000円、銀歯の被せ物は約4,000〜1万円で治療可能です。一方、セラミックやジルコニアなどの審美性の高い治療は自費診療となり、費用が数万円〜数十万円に及ぶことも。 

見た目や耐久性を重視しない場合は、保険診療で十分な治療が受けられるため、無理に高額な治療を選択しないことが節約のポイントです。 

関連記事:歯医者の保険適用範囲とは?

普段から虫歯を予防する 

虫歯治療費を根本的に抑えるには、定期的な歯磨きはもちろん、デンタルフロスや歯間ブラシを使用し、歯垢を除去して予防しましょう。 

就寝前の歯磨きを丁寧に行うことが効果的で、細菌の繁殖を抑えられます。また、糖分の摂取を控え、ガムを活用するのもおすすめです。 

3〜6ヶ月に1回、歯科医院での定期検診を受けることで、早期発見・早期治療が可能です。結果、治療費を抑えることにつながります。 

定期検診は1回あたり2,000〜3,000円程度です。将来的に高額な治療費を避けるためには、無駄のない投資といえるでしょう。 

自費診療の場合は、複数の歯科医院で見積もりをとる 

自費診療を選択する場合、下記のように歯科医院ごとに治療費が異なります。 

  • セラミック:1本5万〜10万円 
  • インプラント:1本30万〜40万円 

同じ治療内容でも、使用する材料や歯科技工士の技術、医院の設備によって費用が変動するため、事前に比較検討しましょう。 

また、歯科医院の公式サイトで料金を確認したり、無料相談を利用したりするのもおすすめです。デンタルローンが利用できる医院もあるため、治療費の支払い方法もあわせて確認しましょう。 

まとめ 

虫歯の治療費用は、進行度や治療方法によって異なります。軽度なら1,000円〜3,000円程度で済みますが、重度になると数万円以上かかることも。 

神経の治療や抜歯後のインプラント治療は高額になりやすいため、早期治療と日頃の予防が費用を抑えるポイントです。 

虫歯治療やインプラント治療を検討されている方は、「いとしま総合歯科インプラントクリニック」がおすすめです。完全個室の快適な治療環境のもと、経験豊富な歯科医師が精密な診断を行い、最適な治療プランを提案します。 

虫歯の治療費を抑えながら、質の高い治療を受けたい方は、「いとしま総合歯科インプラントクリニック」へご相談ください。 

>>いとしま総合歯科インプラントクリニックへの問い合わせはこちら 

この記事の監修者

院長 星元健佑

当院院長の星元健佑です。私が、診療において常に心がけているのは、「自分の家族だったらどの治療を選択するか」ということです。
治療法に関しては、でき得るすべての治療法のメリット・デメリットを丁寧に患者様にご説明した上で、ベストだと思う治療法をお伝えいたします。
しかし、最終的に決断されるのは患者様ご自身ですので、決して私の考えを押しつけるようなことはいたしません。
もちろん、自由診療だけをお勧めすることもありませんので、費用面でご不安に感じている方は安心して受診いただけたらと思います。
当院では、月に1回午後を休診にし、勉強会とスタッフのトレーニングを実施しており、スタッフ全員のスキルアップにも取り組んでいます。
また、口腔内スキャナーや歯科用CTなども活用し、専門的な診療を提供できる体制づくりにも注力。口腔内を総合的に診られるのが当クリニックの特徴です。 お口に関してお困り事があればお気軽にご相談ください。

〈略歴〉

私の歩みは、2016年に長崎大学歯学部を卒業したことから始まりました。2017年には鹿児島大学での臨床研修を修了し、特に口腔外科の技術を学びました。2018年はオパールデンタルクリニックで、インプラント治療やセラミック治療の技術を身につける機会に恵まれました。
その後、2022年にはカナダへ単身で渡り、国際的な視野でさまざまな知見を吸収する貴重な経験を積みました。
帰国後は、九州の複数の歯科診療所で実践を重ね、患者さま一人ひとりに寄り添った治療を学びました。
2024年からは、当院の院長として、皆さまの健康と笑顔のお手伝いができるよう努めています。

2016年 長崎大学歯学部卒業
2017年 鹿児島大学にて臨床研修修了 特に口腔外科領域の技術を習得
2018年 オパールデンタルクリニックに勤務 特にインプラントやセラミック治療の技術を習得
2022年 カナダに単身で赴任 現地で様々な知見を収集 帰国後、九州の複数の歯科診療所に勤務
2024年 当院院長に就任